如意金箍棒 (にょいきんこぼう) その1

 混世魔王を退治してから、悟空は、
猿たちの軍事訓練を始めた。
小猿たちに木や竹で武器を作らせると、旗や笛を合図に、
猿の兵隊を進ませたり、退かせたり。
だが、しばらくやっているうちに、だんだん不安に
なってきた。

悟 空 「うっかりすると、ほんとうに戦争になるかも
      しれんぞ。人間かけものか、どれかが
      先手をうって攻めてくるかもしれないからな。
      そうなったら、こんな木や竹の武器じゃ
      かないっこない。さてどうしたもんだろう」

 そこへ、赤尻猿(あかしりざる)二匹、
通背猿(つうはいざる)二匹、あわせて四匹の
長老が進み出た。

「大王、武器を手に入れるのはわけもないことです。
東へ二百里も行けば、傲来国、
その都には軍隊が駐屯しております。
 きっと武器を作る職人もおりましょう。
そこへ行かれて武器を買うなり
作らせるなりなさればよろしい」

 悟空は觔斗雲に飛び乗って、ちょいとひと飛び。
都に着くと術を使って傲来国の武器庫に入り込む。
刀、やり、剣、げき、斧、まさかり、鎌、むち、弓、
いしゆみ、ほこ・・・。なんでも揃っている。

悟 空 「こいつはいいや、全部いただきだ。
      だけど、ひとりで運ぶのは面倒だな」

ことつかみ毛を引き抜き、くちゃくちゃかんで、
ぷっと吐き出す。千匹以上の小猿が現れ、
次々に武器を運び出す。たちまち武器庫は
からっぽになった。
まるごと雲に乗せて、一気に水簾洞に戻る。
ぶるっとゆすって毛をからだにつけ、武器を積み上げた。

悟 空 「さあみんな、とりにこい」

 猿たちは、わっと駆け寄り、
てんでに刀や弓を手に取る。
いろんな武器をいじくりまわすうちに、その日は暮れた。
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by seiten_taisei | 2001-03-16 20:40 | 児・花果山水簾洞の巻
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